春のいのち

ずっと田舎に住んでいるのですが、ここ何年も春につくしに出会えずにいました。

いつもちらちらっと散歩して、探していたのに、
なぜか見つからず、、子供のときは学校帰りに
田んぼ道でいっぱい生えてるつくしを摘んで、
持って帰って、おばあちゃんに油炒めを作ってもらっていました。

昔は胞子がいっぱい詰まってたら苦くて、
胞子が取れてしまっているのを選んで食べていました。

大人になり、車で移動することが多くなって、春のはじめの一瞬の期間にゆっくりつくしを探して
摘みに行く時間もないほど、なんだか慌ただしく
生活していることに気が付きました。

子供の時は当たり前に見つけてたのに、それが今じゃ、生えてる場所が見つけられないほど、直感が鈍ってるなぁと。

今年も諦めかけた先日、桜の写真を取りに近くの農道をちょっと奥まで走って、ふと田んぼ道の脇を見ると、つくしちゃんがいっぱい生えていました。

わぁ、もう時期的にぎりぎりだぁ。
十数年ぶりにめちゃ懐かしい友人に出会えたような気持ちでした。

まだ、自分が子供の時の風景が残っていると思って嬉しくなりました。

やっと出会えたつくしちゃんをわたしは摘んで帰りました。
そして、昔おばあちゃんが作ってくれたのと同じように油と醤油だけで炒めました。

香ばしくて、ほんとに美味しくて、ちょっとしかなかったので、一つ一つ味わって食べました。

懐かしい気持ちがこみ上げてきました。

昔と一つ違ったことは、このつくしの胞子の苦味がとても美味しく感じられたことです。

大人になっちゃったんだなぁ。って

ちょっと寂しくなりました。